![]() |
名刺や招待状を手にした時、紙の質感が印象を大きく左右することがあります。特殊紙は、普通紙にはない独特の風合いや高級感で、受け取る相手の心に残る印刷物を作り出せる素材です。
しかし、特殊紙には多くの種類があり、どれを選べばよいのか迷うことも少なくありません。また、せっかく選んだこだわりの紙も、郵送中の湿気や保管方法を誤ると、質感が損なわれてしまうことがあります。
こちらでは、耐久性に優れた代表的な特殊紙一覧をご紹介するとともに、郵送時の湿気対策や長期保管のポイントを実践的に解説します。紙選びから取り扱いまで、特殊紙を使った印刷物作りに必要な基礎知識を身につけることで、いつでも最高の状態で印刷物を提供できるようになります。特殊紙の魅力を最大限に引き出すための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
特殊紙とは、一般的な上質紙やコート紙とは異なり、質感や見た目に個性を持たせた紙の総称です。耐久性があり、用途に応じた質感表現が可能なものが多く、紙製品の印象を高めたい場面でよく選ばれます。
印刷業界では、特殊紙の中でも特にデザイン性や質感・色味などが豊かな紙を「ファンシーペーパー」と分類します。こちらでは、代表的な耐久性のある特殊紙の種類を紹介します。
ケント紙は、滑らかで均一な表面を持ち、筆記や印刷に適しています。その密度の高さから、摩耗や湿気にも比較的強い性質を持ち、長期保存を前提とした印刷物にも向いています。建築図面や製図などの精密用途でも利用されることが多く、紙自体の耐久性を重視するケースに適しています。
ヴァンヌーボは、マットな質感とインクの発色性を両立した高級紙です。表面に細かな凸凹があり、印刷時のにじみを抑えながらも柔らかな印象を残します。名刺・パンフレット・ポストカードなどに採用されることが多く、色褪せにくく、長期保存にも強いのが魅力です。
レザックは、革のような模様を持つエンボス加工紙で、重厚な印象を与えたい印刷物に適しています。表面の凹凸が高級感を強調すると同時に、摩擦に強く傷が目立ちにくい特性を持つため、冊子の表紙や高級パッケージで多用されます。厚みのあるタイプほど耐久性が高く、長期使用を想定した用途に好まれます。
合成紙は、ポリプロピレンなどの樹脂を原料とする紙で、水や油に強く、屋外使用にも耐えうる高い耐久性を持ちます。名刺やメニュー、POP、マニュアルなど、長期間の取り扱いが想定される印刷物におすすめです。筆記性や折り加工のしやすさも改良されており、近年注目度が高まっています。
せっかく選んだこだわりの特殊紙も、郵送中のトラブルで台無しになってしまっては本末転倒です。特に、招待状や名刺などの印刷物は、相手の手元に届く瞬間まで美しい状態を保つ必要があります。
特殊紙を使った印刷物の最大の敵は「湿気」です。梅雨時や夏場の高温多湿な時期、冬場の結露が発生しやすい環境では、紙が水分を吸収して波打ったり、色褪せたり、印刷面がにじんだりするリスクが高まります。特殊紙の中でも、エンボス加工が施された紙やコットン系用紙は、通常の上質紙よりも湿気の影響を受けやすい性質があります。
最も効果的なのは、OPP袋(透明なポリプロピレン製の袋)や防湿性のあるクリアファイルに一枚ずつ、または数枚単位で入れることです。OPP袋は密閉性が高く、外気の湿気を遮断できるため、特殊紙の保護に最適です。透明なので中身も確認しやすく、受け取った側にも清潔感や丁寧な印象を与えられます。結婚式の招待状など、特別な印刷物には必須の対策といえるでしょう。
通常の茶封筒や白封筒は通気性があり、湿気を通しやすい構造になっています。そのため、特殊紙を直接封筒に入れると、配送中の温度変化や湿度の影響を受けやすくなります。可能であれば、内側にポリエチレンフィルムがラミネートされた「防湿封筒」を使用するか、前述のOPP袋で包装してから封筒に入れる二重の対策を講じましょう。
可能な範囲で、梅雨時期や台風シーズンを避けて発送スケジュールを組むことをおすすめします。どうしても高湿度の時期に郵送が必要な場合は、より厳重な防湿対策を施し、速達や翌日配達などのスピード配送サービスを活用して、配送期間を短縮することも有効です。配送時間が短ければ、それだけ湿気にさらされる時間も減らせます。
エアキャップ(プチプチ)やクッション封筒を使用する際は、静電気に注意してください。特殊紙の中には静電気を帯びやすいものがあり、ホコリや繊維が付着して見た目が損なわれることがあります。エアキャップを使う場合は、直接紙に触れないよう、まずOPP袋に入れてから包装するとよいでしょう。
印刷したばかりの特殊紙は美しい質感を持っていますが、適切に保管しなければ、その魅力は時間とともに失われてしまいます。在庫として保管する名刺や招待状、次回のイベントまで保存しておくパンフレットなど、特殊紙を使った印刷物を長期間良好な状態で維持するには、正しい保管方法の知識が不可欠です。
直射日光が当たる場所や、窓際、空調の吹き出し口付近は避けましょう。紫外線は特殊紙の色褪せや劣化の原因となり、特にパール加工やメタリック加工を施した紙は変色しやすい傾向があります。また、温度変化の激しい場所も避けるべきです。倉庫や物置に保管する場合は、できるだけ室内環境に近い条件を保てる場所を選びましょう。
保管容器には、密閉性の高いプラスチック製のボックスや、防湿機能のある保管箱を使用することをおすすめします。段ボール箱は吸湿性があるため、長期保管には不向きです。特に梅雨時期や湿度の高い季節には、段ボールが湿気を吸って中の特殊紙にも悪影響を及ぼす可能性があります。
特殊紙は立てて保管すると、自重で折れ曲がったり、反りが生じたりすることがあります。必ず水平に、平らな状態で積み重ねて保管してください。ただし、あまり高く積み上げると下の方の紙に圧力がかかり、エンボス加工が潰れたり、紙同士が貼り付いたりする恐れがあります。
パール加工やラメ入りの特殊紙、光沢のある表面加工を施した紙は、重ね合わせると加工面が剥がれたり、転写したりすることがあります。グラシン紙や薄葉紙を一枚ずつ挟むことで、このようなトラブルを防げます。コストと手間はかかりますが、高級な特殊紙を使った大切な印刷物には、必須の対策といえるでしょう。
紙は虫の食害を受けやすく、特に湿度の高い環境ではカビが発生するリスクが高まります。保管容器の中に、紙用の防虫剤や除湿剤を入れておくと効果的です。ただし、防虫剤は直接紙に触れないよう注意してください。化学反応によって変色や変質を引き起こす可能性があります。除湿剤は定期的に交換し、常に適切な湿度を維持しましょう。
丹羽紙業株式会社は、小ロット印刷に対応している紙専門業者です。必要な時に必要な分だけ発注できるため、大量在庫を抱えるリスクを減らせます。保管期間を最小限にしながら、安定した品質を維持できます。
特殊紙の美しさを最大限に活かすためには、制作段階だけでなく、保管段階でも細やかな配慮が必要です。適切な保管方法を実践することで、いつでも最高の質感で印刷物を提供できる体制を整えましょう。
丹羽紙業株式会社は、紙選びからデザイン、印刷まで一貫してサポートしています。紙に関するお困りごとは、何でもお気軽にご相談ください。
| 会社名 | 丹羽紙業株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 〒577-0013 大阪府東大阪市長田中3丁目3-21 |
| TEL | 06-6747-2831 |
| FAX | 06-6747-2835 |
| 事業内容 | 紙及び紙加工品の製造販売 印刷業 不動産の賃貸及び管理 飲食店、喫茶店の経営 スポーツ用品の販売 |
| お問い合わせ | お問い合わせについてはこちらをご確認ください。 |
| URL | http://www.niwa-p.co.jp/ |